決算書がカンタンに読めるようになる!ポイントが分かる損益計算書の読み方


損益計算書からは収益性が分かる

収益性とは、「会社がどれだけ儲けているか」ということです。利益の売上高に占める割合(売上高利益率)を見ていきましょう。

 

先ほど説明したように、損益計算書には5つの利益が書かれています。それを売上高で割れば簡単にそれぞれの利益率が導き出されます。

中でも重要なのは営業利益を売上高で割った「営業利益率」と、当期純利益を売上高で割った「当期純利益率」です。

 

営業利益率 = 本業で稼ぐ力が分かる

営業利益は事業活動で掛かった費用を引いた後の利益なので、営業利益率は「会社で本業が稼ぐ力」が分かります。営業利益率が高ければ経営がうまくいっている証拠と言えるでしょう。

 

当期純利益率 = 全ての活動での儲ける力が分かる

当期純利益は、財務活動など本業以外の損益も加味された結論部分です。最終的な儲けの水準を表しており、全ての活動での儲ける力が分かります。

 

ところで、なぜ利益率を出す必要があるのでしょうか?それは次の2点を分析するためです。

・他の年度との比較

・規模の違う他社との比較

実数では見落としがちな点を、比率にすることで比較分析することが可能になるのです。

 


収益性を見る

では次にレーザーテック (6920)の収益性をみてみましょう。下の表は2018年度と2019年度の利益と、そこから導き出した利益率です。

  利益(千円) 利益率
2018年度 2019年度 2018年度 2019年度
売上高 21,252,468 28,769,951
売上総利益 12,001,312 15,916,799 56.5% 55.3%
営業利益 5,685,461 7,941,298 26.8% 27.6%
経常利益 5,706,533 7,834,489 26.9% 27.2%
税引前当期純利益 5,706,533 7,834,489 26.9% 27.2%
当期純利益 4,366,327 5,933,926 20.5% 20.6%

 

売上高は前年比で35%上昇していてとても大きく伸びています。

先ほど、利益率で重要なのは”営業利益率”と”当期純利益率”だと言いましたが、微増ではありますがどちらも伸びています。

 

注目するのは利益率の高さで、一般的な製造業の”営業利益率”の平均は約4%ですので、レーザーテックの27.6%というのは驚異的な高さと言えます。

 

ちなみに、レーザーテックは半導体マスク欠陥検査装置を製造している製造業の会社です。

 

当然、半導体の将来的な需要拡大といった期待値も株価には織り込まれていますが、

近年の株価上昇は、売上高の伸びに加え、驚異的な収益性を持つ会社だからだと言えるでしょう。

 

以上で説明は終わりになります。

初心者の方でもある程度理解して頂けたのではないでしょうか?

 

今回説明したように、損益計算書では会社の収益性が分析できます。

 

損益計算書と貸借対照表と組み合わせることで「総資産利益率(ROA)」や「自己資本利益率(ROE)」といった資産や自己資本を活用してどれだけ儲けられているかを知ることができるので、またの機会に説明したいと思います。

 

それではまた次回、ごきげんよう。

 

 

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